「これからのための気持ちの整理。 」

これからのことを考えています。本当に、本当にめんどうくさい、めんどくさい人間です。これからのために、気持ちの整理をします。

経営学メモ 20191110~

Ⅰ 経営財務(コーポレートファイナンス)の基礎知識

 

①経営財務の必要性

経営財務の諸知識(「資本調達」、「企業価値」、「資本コスト」、「キャッシュフロー」等)が今日の経営実践、日々の意思決定過程に組み込むことがもとめられる。

具体的には1) 経営体はどのような特定の資産を獲得すべきか。 2) 経営体はどのくらいの資金総量を投資すべきか。3) 必要な資金はどのように調達すべきか。などの質問が意思決定の中で必要となるため、経営財務が重要な職能と位置づけられる。特に投資機会を評価するための技法は、企業価値評価や企業の再構築のための意思決定にとって重要となる。

 

②財務(ファイナンス)の意義

ファイナンス(≒財務、金融、財政)は「資金の流れにに関わる活動」を意味する。(経済学の金融論の分野や財政学、或いは経営学の経営財務論や財務管理論で取り上げられ、近年では金融工学を用いたファイナンス論といった新たな独自の領域も築いている。)

企業経営におけるファイナンスは「インベストメント(投資)」と「コーポレート・ファイナンス(企業財務、経営財務)」の2分野に分けられる。

「インベストメント(投資)」は機関投資家個人投資家の投資行動を主要なテーマとする分野である。この分野では、リスク・リターン分析を基本として、個々の証券についてのリスク測定や、最適な証券の組み合わせ(ポートフォリオ)の決定方法を学ぶ。

「コーポレート・ファイナンス(企業財務、経営財務)」は企業の資金調達と運用を主分野としている。ファイナンスの基礎知識(リスク、リターン、現在価値など)を応用して、「資本コスト」という概念を用いて、企業価値を最大化するための資本の調達と運用に関わる意思決定の方法論を学ぶ。(金融・資本市場(マーケット)や金融機関は以上の2つの分野を現実的に体現しているといえる。)コーポレート・ファイナンスの知識を学ぶことで次のようなことを定量的な指標として評価、算出が行えるようになる。

  #1 企業の将来にかかる成長性の算定

  #2 投資のリスクと経済性の評価

  #3 企業価値の評価

  #4 企業価値の最大化に資する資金調達と資金運用の意思決定方法

 

コーポレートファイナンスの体系

コーポレートファイナンスは1) 資金の調達、と、2) 投資の決定 によるキャッシュフローにより成っている。


1) 資金の調達

企業は、外部のステークホルダー(株主、金融機関等)の調達先から資金の調達を行う。

<資金の調達先>

取引先(信用関係で融資してもらう)、金融機関(一定利子による融資)、社債権者・株主(投資として)

<分類>

負債資本(取引先、金融機関、及び社債権者から調達した資本)と株主資本(株主からの投資(<=株主資本は自己資本とする))に分類され、貸借対照表の負債、及び株主資本に記載される。

 

2) 投資の決定

企業は調達した資金を何に対して使用するのか、経営者が投資先を意思決定する。

例として ステークホルダーへの利益還元の他に、購買、研究開発(R&D)生産、販売といったの将来のための投資などの資本の運用も投資先として考えられる。

企業がどのように資金を運用しているかは、貸借対照表の資産に記載される。

 

また資本に対するコストも加わることを考慮する。(資本コスト)

 

企業価値の評価

<企業価値の算定で「フリー・キャッシュフロー」と「加重平均資本コスト(Weighed Average Capital Cost=WACC)」を用いた場合>

フリー・キャッシュフローを決定する要素は1) 売上高(商品、サービスの提供で顧客ニーズを満たすことで、売上高が伸びキャッシュフローは増大する。)、2) 営業費用及び税金(営業費用、税金、従業員、供給者への支払後、株主に還元する原資と考えることができる。)、3) 経営活動による必要投資額(工場、設備、IT、在庫など投資が必要な部分は存在し、その分キャッシュフローは減少する。) という3つである。

加重平均資本コスト(Weighed Average Capital Cost=WACC)は会社が資本を調達するのにかかるコストと考えられ、資金の調達の組み合わせ、利子率、企業リスク、マーケットリスクがコスト算出に影響を及ぼす。

 

 

⑤ 経営財務(コーポレート・ファイナンス)理解のためのキーワード

1)「現在価値」

経営財務では、プロジェクトの投資効果、また企業価値を算定する際に、そのプロジェクト、企業が将来生み出す経済価値を現在価値になおして、投資額との比較を行う。

その際、

> 将来価値 = 元金 × ( 1 +  利子率 )^n年間

という式より

> 現在価値 = 将来価値 /( ( 1 + 利子率 ) ^n年間)

で求める。

例1)1年後に、100万円得られることが確実であるとし、年間利益率が5%であるプロジェクトの現在価値は下記の通り求める。

現在価値 = 100万円 ( 将来価値 ) / ( 1 + 0.05 ( 年間利益率 ) ) ^1 ( 年間 ) ) ≒95.2万円

例2)3年後に、100万円得られることが確実であるとし、年間利益率が5%であるプロジェクトの現在価値は下記の通り求める。

現在価値 = 100万円 ( 将来価値 ) / ( 1 + 0.05 ( 年間利益率 ) )^3 ( 年間 ) ) ≒86.4万円

 

キャッシュフロー(Cash-Flow)」

プロジェクトに関わる現金の流入から現金の流出を差し引いた収支。プロジェクトの収益性(リターン)の評価する指標として用いられる。(財務上の利益は、いくつかの仮定に基づく「会計上の利益」を経済的効果の把握に使用することを適さないと考えるため、キャッシュフローを用いて利益を考える。)

企業は 1) 株主や債権者から調達した資金を使って生産に必要な設備などの固定資産や原材料を購入したり労働者を雇用する(=経営資源の調達)。 2) 調達した経営資源を使って製品を生産、保管する(=棚卸資産の保管)。 3) 製品を販売することで、棚卸資産売掛金受取手形(=売上債権)の形で回収。 4) 売上債権は、いずれキャッシュ化される。

という流れでキャッシュフローを管理する。