「これからのための気持ちの整理。 」

これからのことを考えています。本当に、本当にめんどうくさい、めんどくさい人間です。これからのために、気持ちの整理をします。

読書メモ 20200415~

The Inmates are Runningthe Asylum

アラン・クーパー「コンピュータは難しすぎて使えない」(2000年)翔泳社

アラン・クーパー Visual Basicの父

 

### はじめに

##### ビジネス的な意義の本

- 元々は「操作デザインのプロセス」についてのHow To 本を書こうとしていたが、それが「ビジネス的に必要なことである」ということを証明するために「開発プロセスがめちゃくちゃなこと、非効率なソフトウェア開発がお金を無駄遣いしていることを指摘し、不満を持った顧客も移り気なことも説明した上で、もっといいデザインのプロセスがビジネスをどう改善するのか」を書く。

 

###### ビジネスのわかった技術屋/技術のわかったビジネスマン

- 二十一世紀に成功するプロフェッショナルは、「ビジネスのわかった技術屋」か、「技術のわかったビジネスマン」である。

- 技術のわかったビジネスマンも、ビジネスをわかった技術屋もどちらも、自分の成功が手に入る情報と、その使い方の高度さにかかっていることを知っている点で共通している。

- ビジネスマンは全て二種類に分けられる。ハイテクをマスターする者と近々廃業する者だ。ハイテクノロジー産業(IT産業)は今やいかなる業界にも浸透しており、デジタル情報は1日の仕事の核心になっている。

→2000年に既にこんな先鋭的なことを仰っているのか(2020年のコロナ中の日本に正に適してしまっている。。)

 

- 非効率な機械システムは、操作の度に1円、2円を無駄にするかもしれないし、その使用するシステム(そしてシステムを作る開発者)が会社を凄まじく左右する。

→開発者として、これはよく考えなければならない。

 

- しかしデジタルツールは学んで使って理解するのがとんでもなく難しいので、しばしば目標まで到達出来ないまま断念してしまう。こうなるとお金も時間も無駄となる。そのため、より良い学びやすく使いやすいテクノロジーを持つことは個人的にもビジネス的にも良い結果をもたらすと言える。

→コンピュータ自体が操作者に知識を求める(Garbage in, Garbage out のように操作側が使いこなせないと何にも使えない(セマンティック・ギャップ))ため、ソフトウェアも引きづられて分かりずらいものになってしまうのかもしれない。

 

- 本書の論点は、コンピュータ化した製品を作る前に、デザインをすれば、より強力で使って楽しいソフト製品をつくることができる、ということである。(一般に思われることかもしれないが実際のところこれは実現できていないことも多い。)インタラクティブなソフトウェアの設計というのは、それを開発するのと同等に難しい。

 

### ユーザーのせいにする

 

ソフトを書くのは知識的要求が高く没頭する必要があるため、人間の思考とは異なる思考が入る場合がある。

 

デザインのまずいソフトのコストは、まずユーザーがソフトに馬鹿にされた気持ちになる。ユーザーの時間が取られ、改修のコストが増える。

 

そして、コンピュータ業界の重鎮は、会議でピラミッドを描き、ランク付けで、一般ユーザー、経験ユーザー、パワーユーザーに分け、ITリテラシーのない一般ユーザーは切り捨てる必要があると言う。ターゲットの半数以上を切り捨てて良いのだろうか。

 

分かりずらいユーザーインターフェースは深く没頭したプログラマーとパワーユーザーが作り出し、ビジネスチャンスを損なう。

アラン・クーパー